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柳宗理が戦後初デザインしたものは?「柳宗理と松村硬質陶器展 」展、開催中

2018/05/10

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処女作である松村硬質陶器シリーズも

2018年3月6日(火)から5月13日(日)まで、石川県金沢市の「金沢美術工芸大学柳宗理記念デザイン研究所」にて「柳宗理と松村硬質陶器展 ―戦後日本のテーブルウェア―」が開催されています。

戦後日本を代表する工業デザイナー・柳宗理。彼が終戦後初めてデザインを手がけたプロダクトをご存知でしょうか。それは名古屋の松村硬質陶器とタッグを組んだシンプルな白い陶器でした。

名古屋は、戦前から輸出用陶磁器の生産が盛んで、現在でも周辺にかけて陶磁器メーカーが多い地域。戦争が終わり質の良いテーブルウェアが徐々に求められるようになっていった1948年頃に完成した初期の「松村硬質陶器シリーズ」や、その中の「コーヒーセット」は高く評価され、それを改良した新型(N型)が人気を博し広く人々の生活に浸透。その後1990年にこれらのシリーズの一部がニッコーにより「ボーンチャイナ・シリーズ」として復刻され、多くの人々に愛用されています。

本展では、柳宗理の処女作である松村硬質陶器シリーズについて、これまで詳細が判明していなかった戦後初期の製品ラインナップやデザインの変遷に関する情報を展示。戦後の日本におけるテーブルウェアの発展が柳氏の工業デザイナーとしての歩みに重ね合わせて紹介されています。

しばしば「インテリアは白いティーカップから始まる」と言われますが、それはひとつのお気に入りのカップがあればカトラリー、テーブル、チェア、テキスタイル…と、手もとから自分らしく空間を作っていくことができるという意味が込められています。日本を代表するデザイナーが、戦後のキャリアをテーブルウェアからスタートさせたというのも、決して偶然ではないのかもしれません。ぜひチェックしてみてください。

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松村硬質陶器初期シリーズ「ティーポット」1948年頃

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左:松村硬質陶器KIKYOシリーズ「楕円皿」1948年頃
右:同N型シリーズ「コーヒーカップ」1952年頃

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松村硬質陶器 N型シリーズ「サラダボウル」1952年頃
柳宗理と松村硬質陶器展 ―戦後日本のテーブルウェア―
会期:2018年3月6日(火)~5月13日(日) 9:30~17:00
   ※月曜休館(祝日は開所)
会場:金沢美術工芸大学柳宗理記念デザイン研究所 展示資料室2 / 石川県金沢市尾張町2-12-1
入場料:無料
Writing:Ruiko Eguchi
Edit:塩見直輔

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