interior & furniture CLASKA デザイナー・岡嶌要インタビュー
2013/07/25
「ここはすべてを自分で考えていく場所」
2013年7月8日(月)に初となるショールームをオープンしたinterior & furniture CLASKA。プロダクトのデザインはもちろん、ショールームの外観、内装、配置まで、同ブランドのすべてを手掛けるのがデザイナーの岡嶌要氏です。
タブルームとしては、家具デザイナーへのしっかりとしたインタビューはこれが初。我々の緊張はよそに、柔らかな口調で驚くほど気さくに話していただける岡嶌さんの人柄に触れ、interior & furniture CLASKAが持つ優しい雰囲気の理由が分かったような気がした時間でした。
ブランドのこと、そして自身のデザイン活動について伺いました。
■ショールームに常駐し接客もされるということに驚きました。気軽に話しかけていいのでしょうか?
岡嶌要 もちろん(笑)。商品の説明もしますし、ここで設計やデザインも行います。ふらっと入られた方はデザイナーだと気付かないんじゃないでしょうか。デザイナーと書いた顔写真でも置いておこうかな(笑)。
■interior & furniture CLASKA以外でも、さまざまな企業にデザインを提供されています。interior & furniture CLASKAはどういう位置付けなのでしょうか?
岡嶌要 他の企業と仕事する際は、その企業のディレクターさんが考えていること、やりたいことがあり、それをデザインでよくしていくということを考えます。interior & furniture CLASKAは、全部が自分の頭の中から出てきたものです。その点が明確に違います。このショールームでは、CLASKAの客室やオリジナルプロダクトのデザインを手掛けてきた自分から新たに生まれるものを提案・発信していきます。
■レーベル名を「interior & furniture CLASKA」にした理由は?
岡嶌要 他もいろいろ考えてはみたのですが、インテリアと家具をやっているので「interior & furniture」が、そのままで分かりやすいだろうと。それに「CLASKA」を付けて「interior & furniture CLASKA」。
■「interior」の部分があるので、置いてある家具以外の相談もしてもいいんですね。
岡嶌要 オーダー家具も受け付けていますし、住宅や店舗の内装デザインもやっています。ここで図面を描きますし、模型なんかも作りますよ。
■interior & furniture CLASKAの家具は、コンパクトなものが多い印象があります。
岡嶌要 それは意識してやっています。ソファは横幅があった方がバランスよくて美しいのですが、日本の空間を考えると、あまり大きな家具は置きにくい。コンパクトでも美しいデザインを意識しています。
■日本の空間で日本人が使うことをイメージされているんですね。
岡嶌要 日本人ですね。自分と同世代かその前後の日本人。interior & furniture CLASKAの家具は20代の一人暮らしの方から30代のご夫婦などによく選んでいただきます。特に女性の方が反応がいいですね。デニムやチノクロスを使ったソファも、男性より女性の方に受け入れられています。
■interior & furniture CLASKAの家具がソファから始まった理由はあるのでしょうか?
岡嶌要 ソファは日々の生活において、直接身体に触れて長い時間を共にする、とても大きな役割の存在です。そこで「まずはソファ」と。それから、自分がものを作る動機のひとつに「出会い」があります。長い付き合いのある職人さんがいることや、今回使った洋服の生地という素材との出会いも重なってソファになりましたが、お客さまにはこのソファに出会ってそれぞれの暮らしで喜びを増やしてほしい、と願っています。
■家具以外も多くのプロダクトを手掛けられていますが、家具屋をオープンされました。家具が中心にあるのでしょうか?
岡嶌要 かつて300以上の家具をデザインし、いろんな素材・製法に出会い、一周して一時は「もう家具は作らない」と人に言ったこともありました。それから家具以外の物にいろいろと触れた後、また家具が恋しくなったというか。
もともと学生時代には彫刻をやっていた中で倉俣史朗さんの作品を見て家具に興味を持ち家具の世界に入りましたが、あらためてより深く知るにつけ「建築か…」と思い至り、空間の方へと興味の範囲が広がり、理解できるようになってきました。家具を中心にしながら、これからさらに建築の方へも広げていけるといいと思っています。
■interior & furniture CLASKAの新作の予定は?
岡嶌要 ここ(ショールーム)の扉の取っ手のような…あそこまで汚すかは分からないですが、金属を使ったものを考えています。
「ここの扉の取っ手」がこれ。木製家具が多かったinterior & furniture CLASKAですが、近く金属製家具が登場しそう。
岡嶌要 いつでもここ(ショールーム)にいますので、聞きそびれたことがあったらいつでもどうぞ。ただ、一人だけでやっていますので、入口に「すぐ戻ります」と張り紙をして打ち合わせや食事に出ていることがあるかもしれません(笑)。すぐ戻ります。
デザイナー。1973年、京都府生まれ。1998年、京都造形芸術大学美術科彫刻卒業。IDEE(イデー) に入社しプロダクトデザイナーとして活躍、ロングセラーとなる代表的アイテムを多く生み出す。2006年に独立、IDEEやCIBONE(シボネ)などのプロダクトを手掛ける。2008年よりCLASKAのデザインディレクションに参加。ホテル客室のデザイン、D.I.Y.ROOMのプロデュース・デザイン、オリジナルプロダクトの開発等を行う。ジャンルやプロダクトカテゴリーの垣根なく、物販店、飲食店、美容室、オフィスの空間設計など幅広い分野で表現活動を展開する。最新の案件ではスーパーマーケットの空間設計も。
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